ガザで食糧難がさらに逼迫、北部で食べ物ほぼ入手できず WHO
(CNN) 世界保健機関(WHO)当局者は13日までに、軍事衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区での食糧難の逼迫(ひっぱく)に触れ、居場所を追われた数百万人規模の住民は「おぞましい環境」に襲われ、北部では「食べ物がほとんど入手できない」状況に追い込まれていると報告した。
WHOの緊急事態対応の担当者であるショーン・ケーシー氏が記者会見で述べた。ガザ北部では接触した住民ら全員が食料の提供を乞うたとも明かした。
軍事衝突は発生から3カ月以上経過し、多くの援助団体は飢餓到来の危機を警告してもいる。
ガザを複数回訪れたWHO代表団の一員でもある同氏は医薬品を届けるたびに、次は食料を運んできてと懇願されると指摘。治安対策を含めた多くの理由からかなえられない願い事になっているとの思いも打ち明けた。
WHOはガザ全土の状況を把握できないことを認めながら、自らが遭遇した両足あるいは両手の切断を強いられた患者が食料や水を求めたことに触れ、「住民らが日常生活を送る上での基本的な物資を確保していないことは明白」と主張した。
WHOは昨年12月26日以降、ガザ北部の詳しい情勢をつかんでいないとも認めた。代表団の派遣を6回にわたって中止する事態にもなっているという。
ケーシー氏は、ガザ中部にいる多くの住民も入ってくる食料が足りないため空腹感を同じく抱えていると推測。エジプトと国境を接し援助物資が通過するラファ検問所があるガザ南部でも住民の食事量は十分でないだろうとも述べた。「ガザ全土で恐ろしい状況が進んでいる」とも警告した。