終末時計、今年も「残り90秒」に 人類滅亡まで過去最短のまま
(CNN) 米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は24日、地球滅亡までの時間を表す「終末時計」の針について、昨年に続き午前0時まで残り「90秒」とした。終末時計が創設された1947年以降で最短となっている。
終末時計の午前0時は世界の終わりを象徴的に示す。同誌は毎年、現在時刻を決定している。2020年から22年までの残り時間は100秒だったが、昨年はロシアによるウクライナ侵攻と核兵器の絡む情勢激化のリスクが高まっていることを主な理由として、針を10秒進める決定を下していた。
ブレティン誌によれば、終末時計の創設は、人類存亡に関わる危機を断定的に計測するというよりも、気候変動をはじめとする困難な科学的テーマについて議論を喚起することを目的とする。
針の位置を昨年と同じとしたのは、ウクライナでの戦争、イスラエル・ガザ紛争、潜在的な核の軍拡競争、気候危機にまつわる懸念が今なお続いているためだ。同誌のレイチェル・ブロンソン社長兼最高経営責任者(CEO)が説明した。
「傾向は依然として、世界的な大災厄に向けた道筋を不気味に示している」「ウクライナでの戦争には、核兵器の絡む情勢激化のリスクが常に付いて回る。また昨年10月7日の対イスラエル攻撃並びにガザ地区での戦争は、近代戦の恐怖の新たな姿を提示している。核による情勢激化がなくても、そうした事態はもたらされる」(ブロンソン氏)
同氏はまた、最近の人工知能(AI)の進展にも触れ、新たな懸念との認識を表明。「テクノロジーをどうやって制御するのかについて、様々な議論が浮上している。そうした技術は文明を向上させる場合もあれば脅かす場合もある。いずれの方法も無数に存在する」と指摘した。