ウクライナ大統領、軍総司令官を解任へ 数日中に発表と情報筋
ウクライナ・キーウ(CNN) ウクライナ軍のザルジニー総司令官は1月29日、大統領府での会合に呼ばれ、自身が解任されると告げられた。事情に詳しい情報筋2人がCNNに明らかにした。この数週間、ゼレンスキー大統領とザルジニー氏との緊迫した関係を巡り臆測が広がっていた。
解任の公式発表はまだなく、31日夜の時点でザルジニー氏はまだ総司令官の地位にある。しかし解任を告げる大統領命令が週内にも出される見通しだと、情報筋の1人は説明した。実現すればゼレンスキー氏にとって、2年近く続くロシアによる全面侵攻の開始以来最も大掛かりな軍の刷新となる。
昨年のウクライナ軍の反転攻勢が失敗に終わった後、ゼレンスキー氏とザルジニー氏の間に対立が生じていたことは広く知られていた。特に11月、ザルジニー氏が英誌エコノミストとのインタビューなどでロシアとの戦争を膠着(こうちゃく)状態と形容したことで緊張に拍車がかかったとされる。
29日、ニキフォロフ大統領報道官はCNNなどのメディアに対し、ザルジニー氏解任の噂(うわさ)は事実ではないと述べた。ウクライナ国防省も、ソーシャルメディアへの投稿で、解任の件を否定した。
ただ情報筋の1人や他の報道によれば、ウメロウ国防相も出席した同日の会合で、ゼレンスキー氏は「軍の総司令官を解任する決断を下した」と宣言。「落ち着いた」とされるやり取りを通じて、ザルジニー氏に別の職位を提示したが、ザルジニー氏はこれを拒んだという。
CNNは31日に大統領府へ連絡を取り、より詳細なコメントを求めたが、返答はなかった。
ザルジニー氏の後任については、2人の名前が挙がっているという。軍の高官でもある情報筋の1人によれば、後任候補の1人は国防省のブダノフ情報総局長で、ゼレンスキー氏とのつながりが強いことで知られる。
もう1人はウクライナ軍のシルスキー陸軍司令官だとされている。
ブダノフ氏は30日のインタビューで、CNNに対して総司令官就任についてのコメントを拒否。シルスキー氏のオフィスも、CNNからの連絡に返答していない。