選挙活動中の候補者射殺、総選挙を控え暴力相次ぐ パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタンで1月31日、選挙活動中の候補者1人が射殺されたことが分かった。総選挙の投票開始を1週間後に控え、暴力が激しさを増している。
地元警察によると、カイバル・パクトゥンクワ州バジャウルの市場で、銃を持った男がカーン元首相の「パキスタン正義運動(PTI)」と提携する独立系候補の車に発砲した。「狙いを定めた殺害」だったという。ほかに3人が負傷した。
事件後、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)系の「ISIS―K」が犯行声明を出した。
選挙候補者の殺害はここ数週間で2度目となる。ロイター通信によると、1月10日には、州議会に立候補していた独立系候補が戸別訪問中に射殺された。
パキスタンでは2月8日の総選挙を前に、候補や政党を狙った襲撃が各地で相次いでいる。
1月31日にはバルチスタン州でも、パキスタン人民党の複数の候補の住宅や事務所、さらにパキスタン・ムスリム連盟の選挙事務所が襲撃され、少なくとも15人が負傷した。地元当局が明らかにした。
このうち1件の襲撃については、分離派武装組織「バルチスタン解放軍」が犯行を主張した。
PTIによると、バロチスタン州シビではこの前日、PTIの選挙集会中に爆発が発生し、4人が死亡、5人が負傷していた。
パキスタンでは今週、カーン元首相が汚職を巡る罪で禁錮14年の刑を言い渡された。カーン首相が有罪判決を受けるのは2日連続だった。
2022年4月の不信任投票でカーン氏が首相の座を追われて以降、同氏やPTIの党員は幅広い弾圧にさらされている。一部の関係者からは脅されて発言を封じられているとの声が上がるほか、逮捕されたり出国を禁じられたりした人もいる。