パキスタン総選挙、収監中のカーン元首相に近い候補が最多議席 予想外の結果に
イスラマバード(CNN) 8日投票のパキスタン総選挙で、収監中のカーン元首相の政党「パキスタン正義運動(PTI)」と連携する無所属候補が最多議席を獲得した。集計作業の遅れや不正疑惑が指摘される中、予想外の勝利となった。
パキスタン選挙管理委員会によると、無所属候補はこれまでに98議席を獲得した。未確定の議席は22。無所属候補の大半はカーン氏のPTIとつながりがある。
一方、圧勝が有力視されていたパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)は今のところ、2番手の69議席にとどまる。パキスタン人民党(PPP)は51議席で3番手。
残る22議席をすべて獲得したとしても、シャリフ元首相率いるPML―NやPPPがリードを奪うには足りない。ただ、3大政党はいずれも過半数の169議席を獲得できない見通しで、単独政権樹立は不可能となる。次期首相に誰が選ばれるのかは不透明な状況だ。
9日には、人工知能(AI)で生成されたカーン氏が勝利を宣言。支持者に対し「今度は自分たちの票を守る力を示す」よう訴えた。
カーン氏は昨年8月から収監されており、AIを活用して支持者にメッセージを届けている。動画ではAIで生成された声が「あなた方は私の信頼に応えた。高い投票率であらゆる人を驚かせた」と述べた。
一方、カーン氏と対立するシャリフ元首相は、PML―Nが最多議席を獲得したと主張した。「組閣に必要な過半数」に届いていないことは認め、連立相手を探している状況だとしている。