戦死兵の冷凍精子・卵子使った出産可能な法案可決、ウクライナ
(CNN) ウクライナ国会は、戦死などした同国軍兵士の冷凍精子や冷凍卵子を配偶者が使用して子どもを持つことを認め、必要な費用も支援する法案をこのほど可決させた。
この種の法案は初めてで、ゼレンスキー大統領が署名すれば発効する。
戦闘で負傷し、子どもを持つのが不可能なほどのけがを戦場などで負った兵士にも適用される。
政府は、これら冷凍精子や卵子の保存費用も負担する。保存期間は、男女の兵士が戦死などした後の3年間となっている。子どもが生まれたら、その出生証明書に死亡した親の名前などを示す条項も盛り込まれている。
政府は現在、精子などの初期段階での冷凍措置に要する費用のみを肩代わりしている。
今回の法案を共同発議したオレーナ・シューリャク議員はSNS上で、「冷凍保存は緊急な課題だったが、難しい問題でもあった」と指摘。「兵士たちは戦争の勃発によって普通の生活と人生上の計画を妨げられ、しばしば子孫を残す時間的な余裕も持てなかった現実が存在する」と述べた。
今回の法案は多くの者に恩恵を与えられるだろうとの期待感も生まれている。
ウクライナ軍の戦死者数は厳重な機密事項ともなっている。米政府当局者は戦死者は推定で約7万人、負傷者はそのほぼ2倍とみている。