ウクライナの子ども、侵攻後2年で地下生活7カ月も 国連
(CNN) ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻して以来、ウクライナの子どもたちは精神面と教育面で大きな影響を受けている。国連児童基金(UNICEF=ユニセフ)の発表によると、前線近くに住む子どもたちはこれまでに、4〜7カ月近くに相当する3000~5000時間を地下で過ごすことを余儀なくされたという。
ユニセフのラッセル事務局長は22日に出した声明で「戦争は幼少期を台無しにし、子どもたちのメンタルヘルスや学習能力に大打撃を与えた」と指摘。さらに「2年にわたって子どもたちは暴力や孤立、家族との別離、愛する人の喪失、転居、そして学校やヘルスケアの中断を経験してきた。こうした悪夢は終わらせなければならない」と訴えた。
ユニセフによると、この2年間で南部ザポリージャ州と北東部ハルキウ州では約3500回、東部ドネツク州では6200回近く空襲警報が発令された。
地下シェルターの多くは暖房や電気、水道が利用できないため、子どもにとっては冬季の避難は「特に恐ろしいもの」だとも指摘した。
ウクライナの子どもの40%が施設の欠如により教育を継続的に受けられておらず、前線に近い地域では学齢期の子どもの半数が教育を受けられていないという。この結果、読解力で2年分、算数で1年分の「学習の遅れ」が生じていると指摘している。