ネタニヤフ氏、侵攻続行の構え バイデン氏の批判に反論
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は11日までに、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファへの侵攻計画を続行するとの方針を改めて表明した。バイデン米大統領が9日放送のインタビューで展開した批判に反論した。
バイデン氏は米MSNBCテレビとのインタビューで、ネタニヤフ氏が自国を救うどころか、害を及ぼしていると主張。ガザでの軍事行動で失われる罪のない人々の命に「もっと注意を払うべきだ」と述べ、ラファ侵攻を実行に移せば一線を越えることになると警告していた。
これに対し、ネタニヤフ氏は米政治ニュースサイト・ポリティコ、独大衆紙ビルトとのインタビューで「バイデン氏が何を言おうとしたのか分からないが、私が大半のイスラエル国民の意思に反して私的な政策を進め、それが国益を損なっているという意味なら、いずれも間違いだ」と反論した。
また、ラファへの侵攻は実行すると改めて表明し、「一線」とは昨年10月のイスラム組織ハマスによる奇襲攻撃が二度と起きないことだと主張。「我々はそのために、ハマスのテロ部隊の殲滅(せんめつ)を完遂する必要がある」と述べた。
ネタニヤフ氏は侵攻作戦が2カ月以上続くことはないとの見通しを示したが、具体的な日程は示さなかった。
イスラム教のラマダン(断食月)が始まる11日を前に、米当局者らは10日、イスラエル軍がただちにラファへ侵攻する事態は想定していないと述べた。イスラエル軍は今のところ、侵攻前に民間人の安全を確保するための人道、避難計画を提示していないという。