大学生に10日間の禁錮刑、ネットワーク名に親ウクライナのスローガン ロシア
(CNN) モスクワの裁判所は、ウクライナを支持するスローガンを自室のWiFiのルーター名に設定したロシアの大学生に対し、10日間の禁錮刑を言い渡した。
SNSテレグラムのロシア系独立ニュースチャンネル「オストロジノ・ノーボスチ」によると、モスクワ国立大学の大学生がWiFiのネットワーク名を「スラバ・ウクライナ(ウクライナに栄光を)」に変更した。ロシア国営RIAノーボスチ通信は学生の身元をオレグ・タラソフさんと特定した。
RIAノーボスチ通信によると、モスクワの地方裁判所は7日、プロパガンダと「ナチスのシンボルを公共に掲示した」罪でタラソフさんに有罪判決を下した。ルーターは当局により押収されたという。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに全面侵攻を仕掛けて以来、政府に反対することは事実上違法とされている。
ロシアの人権擁護団体OVDインフォによると、これまでロシアでは戦争に反対する姿勢に関連した犯罪で2万人以上が拘束され、今も260人以上が収監されているという。
先月中旬に反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が北極圏の収容所で死亡したのを受け、抑圧的な雰囲気はこの数週間でますます顕著になっている。
当局が過激主義とみなす活動を主導する反政府勢力を支持するのは危険を伴う行為だ。
ロシア国営メディアはナワリヌイ氏の死をおおむね無視しているが、即席の追悼の場に集まった大勢の人々が拘束された。政治集会での逮捕者としてはこの2年で最多だった。
週内には厳戒態勢の中で大統領選が行われる。唯一反戦を掲げていた候補者はすでに立候補を抹消され、2030年代までプーチン政権が続く可能性が高い。