戦争で役割急変のウクライナ人女性たち、機銃射手から列車修理まで
キーウ(CNN) ロシアがウクライナへの軍事侵略に踏み切った2022年2月以降、同国軍に志願するウクライナ人女性の人数が大幅に増えたことがこのほどわかった。
ウクライナ政府の公式統計によると、軍務に入っている女性は現在、6万2000人以上。戦闘の現場で銃などを手にロシア軍に立ち向かっている女性は5000人以上となっている。
同国政府は過去2年の間に軍入隊に署名した国民の人数は機密事項などとして伏せている。ただ、平時での生業をあきらめ、軍役に入った国民が数十万人規模にまで達しているのは明白ともなっている。
2年前に志願兵として従軍したオクサナ・ルバンヤクさん(21)は現在、小隊に組み込まれ、重機関銃の射手役を任せられている。小隊の男性兵士の大半は自分より年かさだ。
ウクライナ東部ドネツク州の激戦地だったバフムート近くに送り込まれた。今では小隊では唯一の女性兵士となった。男性兵士と対等の仕事をこなしてきたとしながらも、何らかの性差別を感じ取る場面はあったとも振り返った。
男性兵士の一部が重火器を運ばせる任務から外そうと試み、「私は誰かの娘だろうし、父親の押しがあったのだろう」などとの陰での言葉のやり取りを聞いたこともあった。
戦争が始まる前、男性優位の組織だったウクライナ軍では若い女性を兵士として迎え入れることにはためらいがあったはずだろう。しかし、攻めてくるロシア軍を迎え撃つため小隊が前線への出動に備えている時、性差や年齢差などもはやどうでもよい問題となっていた。
ルバンヤクさんは軍に入りたてのころと比べ、女性兵士を迎える環境で大きな変化が軍内に生じたとも明かした。「女性の力が認められ、戦闘任務にも駆り出され、将校にも登用されている」とCNNの電話取材で説明した。「女性兵士の仕事はもはや医療担当や本部詰めの事務作業などだけではない。実戦での攻撃にも参加している」とし、「非常に喜んでいる」との心境を打ち明けた。
ただ、まだ改善すべき点もあるとつけ加えた。「何事にも時間がかかる」ことは認めながらも、「女性が軍での奉仕を選ぶならそれに応じてくれる全ての条件が整えられている」と評価した。