ガザ北部に飢餓が「迫る」 国連WFPが警告
(CNN) 国連世界食糧計画(WFP)は18日、パレスチナ自治区ガザ地区の食料安全保障に関してまとめた報告書「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」について声明を発表し、ガザの人口の88%が「緊急、あるいはそれ以上に悪い」食料不足に直面しており、ガザ北部では飢餓が「差し迫っている」と警告した。
WFPのマケイン事務局長は「ガザの人々は今、餓死寸前だ。この人為的な飢餓と栄養失調の危機がガザを襲っている速度は恐ろしい」と述べた。
報告書によれば、最も可能性の高いシナリオでガザ南部ラファでの地上作戦を含む紛争の激化を想定した場合、3月中旬から7月中旬にかけて、ガザの人口の半分にあたる111万人が最も深刻な「フェーズ5(飢餓/壊滅的な状況)」に陥る見通しだという。
報告書によれば、ガザ北部に取り残された30万人は現在から5月までの間に飢餓に陥るとみられており、ガザの2歳以下の子どもの3人に1人は「急性栄養失調」となっている。
ガザ南部にもゆっくりと飢餓が近づいており、7月までにガザ南部が飢餓に陥る可能性がある。
報告書は、支援団体がガザへの完全な立ち入りが認められ、民間人に食料や水、そのほかの栄養物を届けられるようになれば、飢餓の危機を食い止めることができるとし、そのためには「人道的停戦が必要だ」と指摘した。