イスラエルで38年収監のパレスチナ人男性が死亡
(CNN) イスラエルの刑務所に38年前から収監されていたパレスチナ人男性、ワリード・ダッカさんが7日、中部テルアビブ近郊の病院で死亡した。
パレスチナ自治政府の囚人問題委員会と、受刑者支援団体が発表した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの幹部が8日に発表したところによると、ダッカさんはイスラエルで拘束されているパレスチナ人受刑者の中で、収監期間が最も長かった。
アムネスティはイスラエル当局に対し、尊厳ある埋葬のために遺体を遺族に引き渡すよう求めているという。
受刑者支援団体が出した声明によると、ダッカさんは作家として知られ、小説や記事を通して獄中の状況や囚人らの苦難を訴えていた。アムネスティはダッカさんの著作について、「パレスチナ人受刑者への非人間的な扱いに抵抗する行動」だったと述べた。
CNNのビデオには、イスラエルにいるダッカさんの親族が北部バカアルガルビヤで追悼集会用に設置したテントに、警察が突入した場面が映っている。
警察はCNNへの声明で、集会が申請を却下されたにもかかわらず強行されたため出動したと説明。警察要員に対する暴行の疑いで5人が逮捕されたと述べた。
ダッカさんは1984年にイスラエル兵を拉致、殺害した武装集団を指揮したとして、86年3月に終身刑を言い渡されたが、本人は犯行を否定していた。
2022年には希少ながんの一種、骨髄線維症と診断された。人権団体は本人の体調悪化を理由に、イスラエル当局に釈放を呼び掛けていた。