豪シドニー商業施設の刃物襲撃、死者６人に

（ＣＮＮ） 豪警察は１４日までに、南東部ニューサウスウェールズ州シドニーのショッピングセンターで１３日午後に起きた刃物による襲撃事件で６人が死亡し、生後９カ月の乳児を含む８人が負傷したと発表した。

州警察の責任者によると、女性４人と男性１人が現場で死亡し、女性１人が搬送先の病院で亡くなった。負傷者８人はシドニー周辺の病院で治療を受けている。

容疑者は現場で警官に射殺された。警察は単独犯とみている。

州警察の幹部によると、近くにいた上級警官が最初に駆け付け、容疑者が自分に向かって刃物を振り上げたところで発砲した。

ＳＮＳに投稿された動画には、発砲した警官が負傷者らに救命処置を施す場面も映っている。アルバニージー豪首相はこの警官を英雄とたたえ、「間違いなく命を救った」と述べた。

警察責任者は記者団に、今のところテロの動機を示す要素はないとしたうえで、捜査には多くの日数がかるとの見通しを示し、襲撃の背景に言及するのは時期尚早と指摘した。

同責任者によれば、容疑者は４０歳の男性とみられるが、身元確認の作業は現在も進行中。捜査状況を知る関係者は容疑者について、過去に豪対テロ当局との接触はなかったが、州警察とは少なくとも１回、精神衛生上の問題でかかわっていた。

現場で母親と乳児が刺されるのを見たと話す男性２人は、母子に救命処置を試みたという。緑色のシャツを着た男が刃物で人々を「無差別に」刺したという目撃談もある。

豪州で大量殺人事件が起きるのはまれだが、１９９６年のポートアーサー事件ではタスマニア島の観光地で３５人が死亡。２０１９年には、北部ダーウィンの銃乱射事件で少なくとも４人が死亡、１人が負傷した。