不敬罪で収監中の活動家、ハンガーストライキ後に死亡 タイ
(CNN) タイ王室を侮辱した罪で収監された若い活動家が14日、長期のハンガーストライキの後に死亡した。当局が明らかにした。国内では悲しみの声と、司法の改革を改めて求める意見がわき上がっている。
タイの矯正当局の声明によると、28歳の女性の活動家は「突然の心臓停止」に見舞われて死亡した。医療チームが蘇生を試みた後、バンコクの大学病院に搬送されたが、「治療の効果は得られなかった」という。
今後検視を通じて死因が特定されると、当局は付け加えた。
女性が所属していた抗議団体は、強大な権力を持つタイ王室の改革と厳格な不敬罪法の修正を要求している。同法の下で国王や王妃、その後継者を批判すると、最長で禁錮15年の刑を言い渡される可能性がある。
同団体は、世論調査で王室の権力に関して質問するといった活動を行っている。
死亡した女性は2020年に若者主導で実施した全国規模の抗議運動に参加。この時は数百万人の若いタイ国民が各主要都市の路上に繰り出し、憲法や民主主義、軍隊に関連する改革を要求した。また初めて王室を公然と批判し、世間に向けて王室の持つ権力と富への疑問を呈してもいた。
女性は今年1月26日から収監され、裁判を待っていた。司法に携わるタイの権利擁護団体が明らかにした。
収監中、女性は4月まで65日間のハンガーストライキを実施。政治的反体制派の収監に抗議していた。この間女性は体調を崩し、刑務所病院への出入りを繰り返していたという。
4月4日に刑務所に戻ったときには、問題なく飲食できていたと矯正当局は説明するが、本人は衰弱しており、手足のむくみと貧血に見舞われていたという。ミネラルや貧血治療薬の摂取は拒否したと、当局は述べた。
女性は不敬罪に絡む2件を含む7件の罪状について、刑事責任を問われていた。22年にも94日間収監され、ハンガーストライキを行った後で保釈されたもののこの措置は後に取り消された。