原潜含むロシア海軍艦船4隻がキューバ寄港へ、今月中旬
ハバナ(CNN) キューバ外務省は8日までに、原子力潜水艦を含む複数のロシア海軍艦船が今月12〜17日に首都ハバナの港に寄港するとの声明を発表した。キューバ軍の情報を引用している。
訪れる艦船は、フリゲート艦「ゴルシコフ」、原潜「カザン」、給油艦に救助船の4隻。キューバとロシアの間の「歴史的な友好関係」に基づく来航とした。
核兵器搭載はないとし、地域に脅威を及ぼすような寄港ではないとも主張。ロシア側はキューバ外務省の声明内容を確認していない。
ロシア海軍艦艇がキューバに立ち寄るのは初めてではない。昨年7月には練習艦1隻が4日間にわたって訪れていた。ただ、4隻もの同時寄港は過去を見た場合、最大規模ともみられる。
冷戦時代、キューバは旧ソ連の重要な同盟国で、1962年にはミサイル配備が原因の「キューバ危機」も発生した。過去数十年で最悪の経済危機に直面しているとされるキューバのロシアの原油や援助への依存も高まっている。
艦船4隻の訪問予定は、バイデン米大統領がウクライナ戦争に絡んで米国製兵器を使ってロシア領内への攻撃を限定的に認める方針を発表した時期とも重なっている。これに対しロシアのプーチン大統領は西側諸国の攻撃を念頭に他国に武器を供給する可能性も示唆していた。
米国務省や米国防総省は、米国の近海でのロシア軍による海空面での活動は今夏、強まるとみている。毎年秋に国際規模で実施している海軍演習へつながる定例の作戦の一環と位置づけている。
国防総省のディーツ報道官は最近、ロシアは戦闘艦船をカリブ海に派遣し、キューバやおそらくはベネズエラに寄港させる可能性があると分析。この地域での航空機の展開も予想されるが、米国へ直接的な脅威を及ぼすような事態にはならないとも結論づけている。