ガザの子ども9割、深刻な食料難 発育障害を懸念 ユニセフ報告
(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)は9日までに、パレスチナ自治区ガザ地区の子ども10人のうち9人が深刻な食料難に直面し、最適な発育や成長に必要な適切な食品群を十分に摂取できないでいるとの新たな報告書を公表した。
数カ月間に及ぶ戦闘や人道支援物資の配給面での遅れが食料の流通や公衆衛生対策を崩壊させていると指摘。結果的に子どもや家族が壊滅的な影響を受ける事態になっていると声明で述べた。
ガザ全土における戦闘は農地を破壊し、家畜を飢えに追いやり、漁船団を衰退させて、食品加工や倉庫施設に損害をもたらしたと説明。これに、通常ならガザに届けられる国際的な援助ルートが閉ざされる弊害が加わり、「数百万人から必要な物資などを奪っている」と主張した。
ユニセフによると、昨年12月から今年4月までの間に5度にわたって実施したデータ収集ではいずれも、ガザの子ども10人のうちの9人が2種類もしくはそれ以下の食品群で生き延び得ている実情が浮き彫りになった。
報告書はまた、子どもの食料難の問題を国際規模でもとらえ、4人のうちの1人が幼少の時期に深刻な事態に遭遇しているとした。人数にして5歳未満で約1億8100万人と算定した。
この事態は、最大で50%の子どもが体力を消耗し、命も脅かす栄養失調状態を経験している可能性を意味すると述べた。
ユニセフのラッセル事務局長は、「深刻な食料難の環境で生きている子どもたちは瀬戸際で生きていることになる」とし、「これが年少の子どもたち数百万人が向き合っている現実だ」と訴えた。