ミサイル攻撃で両親を失った10歳の少年、「どうやって生きていけば」 ウクライナ東部
ウクライナ東部(CNN) ウクライナ東部ドネツク州ポクロフスクで自宅がロシア軍のミサイル攻撃を受け、両親を失った少年が、カメラの前で当時の状況を振り返った。「これからどうやって生きていけばいいのか」と、亡き両親に問い掛けた。
ミコラ・グルシュコ君(10)は最初、夢を見ているのかと思った。自宅の窓が吹き飛ばされ、弾頭が音を立てて飛来した後、爆発が起きた。
暗闇の中で母の部屋に向かいながら、夢ではないことをさとった。目の前に横たわった母は、コンクリート棒の下敷きになっていた。
何かが落ちてきた。自分の名前を呼ぶ母に、「ぼくは生きているよ」と答えた。
顔と目のほこりを必死に払うと、母は崩れ落ちた天井に押しつぶされていた。がれきをどけようとしたが無理だった。母がうめき声を上げ、両脚を震わせる。ミコラ君は「お母さん、ただの夢だよ。恐ろしい夢だ」と叫んでいた。数日前にこんな悪夢を見たばかりだった。
母はミコラ君の目の前で息を引き取った。父は最初の爆発で死亡した。その数時間前、父は家族のバーベキューでビールに酔い、軍への入隊について熱く語っていた。
真っ暗闇の中で外へはい出すと、家が破壊されて変わり果てた姿になり、門は跡形もなかった。ミコラ君は「神様、どうしてぼくにこんな仕打ちを」と叫びながら、下着姿のまま助けを求めて走った。