ミサイル攻撃で両親を失った10歳の少年、「どうやって生きていけば」 ウクライナ東部
近くの街に設置された前線の応急救護所には、ロシア軍のドローン(無人機)攻撃を避けて、夜の間に負傷者が運び込まれる。
最近ロシア軍に掌握された同州バフムート近郊のクリシュチウカから、兵士2人が搬送された。1人は頭に包帯を巻かれて手探りで歩き、もう1人はストレッチャーに横たわっている。塹壕(ざんごう)からわずか1.2メートルの場所に、迫撃砲が着弾したという。衝撃で内臓が損傷している恐れもある。
2人の周りには、4つのベッドが空いていた。医師の1人によれば、ロシア軍によるバフムート攻撃がピークに達していた1年前は、1日に250人の患者が運ばれることもあった。
当局者の話によると、応急救護所の患者数が減ったのは戦況が好転したからではなく、前線に十分な兵力を配置するのが難しくなっているからだという。
待機していた救急車が兵士らを乗せ、暗闇の中でヘッドライトを消したまま出発した。ロシア軍のこれまでの攻撃では、医療機関も標的になっている。