プーチン氏がベトナム到着、支持求め西側の孤立化に対抗
(CNN) ロシアのプーチン大統領は19日、ベトナムの首都ハノイに到着した。これより前には北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記と平壌で会談し、「包括的戦略パートナーシップ条約」を結んだ。背景にはウクライナでの戦争のため武器を必要とするロシア政府の事情がある。
西側諸国からのけ者として認識される中、プーチン氏は友好国との経済的結びつきの強化を図り、西側による孤立化の影響がないことを示そうとしている。
共産党が実権を握るベトナムを訪問先に選ぶのは、自然な措置に思える。同国は外交上非同盟主義を掲げ、ロシアと歴史的にも近い関係にある。
プーチン氏のベトナム訪問を巡っては、既に米国が苦言を呈している。ロイター通信によると、ハノイにある米国大使館の報道官は、「いかなる国もプーチン氏に戦争や侵略を促進する機会を与えるべきではない。彼の残虐行為が当たり前のこととされてしまう」と批判した。
プーチン氏は2日間のベトナム滞在中、グエン・フー・チョン共産党書記長やトー・ラム国家主席といった首脳と会談する予定。ロシア国営のタス通信がクレムリン(ロシア大統領府)の発表を引用して伝えた。
ベトナムの駐ロシア大使は本国のメディアの取材に答え、プーチン氏の訪問が今後の両国関係を強化すると指摘。二国間の貿易や経済協力を促進する具体的な措置について議論、提案する機会になるとの見解を示した。
ロシア大統領府の外交政策補佐官によれば、共同声明が発表され、各部門での協力を盛り込む合意が結ばれる見通し。具体的には「貿易と経済、科学、テクノロジー、人道の分野」が対象になるという。
ロシアはソ連時代以来ベトナムへの主要な武器供給国であることから、専門家らは兵器やエネルギーに関する協議も議題として取り上げられる可能性があるとみている。