フィリピン、中国海警局の刃物使用を非難 「海賊しかしない行為」
中国外務省は19日、海警局が衝突中に取った「法執行上の措置」は「プロフェッショナルで自制的なもの」だったと述べ、「フィリピンの要員に対する直接行動には出てない」との認識を示した。
シンガポールにあるラジャラトナム国際学研究所の研究員、コリン・コー氏は、中国の海洋法執行当局がフィリピン海軍の艦艇に乗り込むのは前例がないと指摘した。
コー氏は「ゴムボートかもしれないが、フィリピン海軍の艦艇であることに変わりはない。国際法上、こうした艦艇は主権免除を享受する」と説明。「これは非常に危険。戦争行為と捉えられる可能性さえあるからだ」との見解を示した。
フィリピン軍関係者は19日、中国海警局の関係者がフィリピンのゴムボートに「違法に乗り込み」、分解された小銃7本を「略奪」して船外モーターや通信・航法装置を「破壊」し、フィリピンの要員の携帯電話を奪ったと指摘した。
フィリピン軍のロメオ・ブラウナー参謀総長は声明で、「こんな行為は海賊しかしない。船に乗り込んで盗みを働き、船体や装置、持ち物を破壊するのは海賊だけだ」とコメントしている。