カナリア諸島沖で遭難の68人、世界一周のクルーズ船が救助
(CNN) スペイン領のカナリア諸島沖合で移民を乗せた船が漂流しているのが発見され、豪華客船が19日に68人を救助した。スペインの海難救助隊がX(旧ツイッター)に掲載した声明で明らかにした。
発表によると、貨物船のフィリップ・オルデンドルフが、カナリア諸島のテネリフェ島から約815キロ南の海上を漂流していたカヌー型のボートを発見して遭難者の救助を開始。連絡を受けたクルーズ船のインシグニアが現場に向かった。
インシグニアは68人を救助して、3人の遺体を収容した。悪天候のため残る2人の遺体は収容できなかった。
20日になってインシグニアから、救助した1人が重体になったとして救急搬送の要請があった。この男性は、捜索救助隊のヘリコプターが到着する前に死亡した。
インシグニアからの報告によると、救助された68人の内訳は男性62人、女性3人、未成年3人。いずれもアフリカのサハラ砂漠以南の出身だった。
同船を運航するオセアニア・クルーズはCNNの電子メール取材に対し、漂流していた船舶から68人を救助して乗船させたことを確認。医療支援や食事、飲料、衣類、休憩場所などを提供し、今後の対応はテネリフェ島の当局に引き継ぐとしている。
インシグニアの乗客数は670人。180日かけて世界を一周している。
スペイン内務省の統計によると、海を渡ってカナリア諸島などに到着する移民は激増している。今年1月1日~6月15日の間にスペインに到着したのは2万3037人と、前年同期比で122.6%増えた。このうちカナリア諸島にたどり着いたのは1万8977人で、同220.9%増だった。