ハマス、新たな政治局長にシンワル氏を指名 昨年の奇襲立案した一人
(CNN) イスラム組織ハマスは6日、パレスチナ自治区ガザ地区の最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏を政治局の新たなトップに選んだと明らかにした。前任のイスマイル・ハニヤ氏が滞在先のイラン首都テヘランで暗殺されたことを受けた措置となる。
イスラエルはシンワル氏について、昨年10月7日の同国に対する奇襲攻撃の「黒幕」と公に非難。ガザにおける戦争での主要な標的の一人に挙げている。ただ専門家によると、奇襲攻撃の主導にはシンワル氏以外にも複数の人物が関わった公算が大きいという。
シンワル氏の現在の所在は依然として不明。ガザの地下に張り巡らされた巨大なトンネル網を頻繁に移動し、周囲に人質を配置して人間の盾として利用している可能性もあると、米当局者はみている。
シンワル氏の政治局長への選出を受け、イスラエル国防軍(IDF)のハガリ報道官は、サウジアラビアのメディアの取材に対し、シンワル氏のことを奇襲攻撃に絡んだハマスの軍事部門トップ、ムハンマド・デイフ氏や他のテロリストに極めて近い位置にいる人間としか見ていないと述べた。
イスラエルは先週、デイフ氏がガザ南部での先月の攻撃によって死亡したと明らかにしていた。ハマスはこの報告について、確認も否定もしていない。デイフ氏は昨年10月7日の攻撃の首謀者とされる。
シンワル氏の政治局長への就任はハマスにおける本人の権力の強化につながるものの、イスラエルとの停戦並びに人質交渉の今後が不透明なものになると懸念する声も出ている。