イスラエル首相、国防相を非難 政権内の亀裂あらわに
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相は14日までに、ガラント国防相の発言について「反イスラエル的」だとして非難した。中東全体に紛争が拡大する懸念が強まるなか、イスラエル政権内の深い亀裂があらわになった形だ。
イスラエルの地元メディアは今週に入り、ガラント氏が非公開で行われた安全保障をめぐる協議のなかで、ネタニヤフ氏の掲げるイスラム組織ハマスとの戦いでの「完全勝利」について、「たわごと」と一蹴したと報じた。
イスラエル首相府は反発し、ガラント氏の発言はパレスチナ自治区ガザ地区で拘束されている人質の解放に向けた交渉を危うくするものだと批判した。
今回の辛辣(しんらつ)なやり取りは10カ月あまりにわたるハマスとの紛争中に2人の間で交わされた口論の最新の事例だ。
専門家からは、ネタニヤフ氏は人質の帰還よりもハマス撲滅と政権維持に関心があると批判する声が出ている。政権内の極右閣僚は、ハマスとの交渉に合意すれば、政権を崩壊させると警告している。
西側諸国の首脳から交渉合意を求める声が出るなか、国際社会ではイスラエルの極右閣僚に対する不満が高まっている。