イスラエルの格付け「A」に引き下げ、紛争長期化理由に フィッチ

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フィッチ・レーティングスがイスラエルの格付けを「Aプラス」から「A」に引き下げた/Mike Kemp/In Pictures/Getty Images

フィッチ・レーティングスがイスラエルの格付けを「Aプラス」から「A」に引き下げた/Mike Kemp/In Pictures/Getty Images

ニューヨーク(CNN) 格付け会社フィッチ・レーティングスは12日、イスラム組織ハマスとの間で続く戦闘や地政学リスクを巡る懸念を理由に、イスラエルの信用格付けを「Aプラス」から「A」に引き下げた。

格付けの見通しについては「ネガティブ」に据え置いた。これは将来的に再度格下げする可能性があることを意味する。

今回の格下げは、ハマスとの戦闘の金融面への影響を浮き彫りにした。一連の戦闘は数万人の死者を出し、中東地域と世界を揺るがしている。フィッチのアナリストは「パレスチナ自治区ガザ地区での紛争は優に2025年まで続く可能性がある」と指摘。紛争拡散のリスクにも言及した。

フィッチは声明で「Aへの格下げはガザで続く戦闘や地政学リスクの高まり、複数の前線で行われている軍事作戦の影響を反映するものだ」としている。

ガザ保健省によると、ハマスによる昨年10月7日のイスラエル攻撃後、ガザでのイスラエルの軍事行動でパレスチナ人4万人近くが死亡、9万人あまりが負傷した。イスラエル当局によると、イスラエル南部では同日、ハマス主導の襲撃で少なくとも1200人が殺害され、250人以上が拉致された。

停戦協議が停滞する中、先週末には住む場所を追われた人を収容する学校やモスク(イスラム教礼拝所)に対してイスラエルの空爆があり、地元の当局者によると、パレスチナ人少なくとも93人が死亡した。

フィッチは「人命の喪失に加え、(ガザ紛争は)多額の軍事支出やインフラ破壊、経済活動や投資へのさらなる長期的影響をもたらし、イスラエルの信用の一段の低下につながる可能性がある」としている。

信用格付けが引き下げられた国は資金調達の難度や費用が上がる可能性がある。「A」の格付けは依然として投資適格級、つまり債券発行者として比較的安全な部類に入る。

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