ガザの死者4万人超、「大半は女性と子ども」
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の保健省は15日、昨年10月に始まったイスラム組織ハマスとイスラエルの戦争によるパレスチナ人の死者が4万人を越えたと明らかにした。
保健省によると、ハマスがイスラエルに奇襲をかけた昨年10月7日以降の死者の累計は4万5人となり、おおよそガザ住民の55人に1人が死亡したことになるという。集計では戦闘員と民間人を区別していないが、死者の大半は女性と子どもだとしている。
加えて、ガザ当局は今週初め、死者とは別に少なくとも1万人が行方不明となっており、がれきの下に埋まっていると考えられていると発表した。
一方、イスラエルが先月明らかにしたところによると、これまでにガザで1万7000人を超える戦闘員を殺害したという。
今後どのような展開となるのか、予測は極めて難しい。停戦の協議が15日に始まる予定だが、ハマスやレバノンの武装組織ヒズボラの高官らが殺害されたことを受けて、交渉は不確かなものとなっている。
イスラエル軍は週末に学校やモスク(イスラム教礼拝所)を攻撃し、ガザ当局によると9日夜から翌日にかけて93人が死亡した。イスラエル軍も攻撃を認め、建物内に置かれていたハマスの司令室にいたテロリストらを正確に狙ったとCNNに説明した。
この攻撃については、イスラエルと緊密な関係にある国々も含め、世界中から非難の声が上がっている。
死者が4万人を超えたとの発表を受け、国連のテュルク人権高等弁務官は「世界にとって厳しい節目だ」と述べ、「この想像を絶する事態は、イスラエル軍が繰り返し戦争法を破っているために引き起こされている」と非難した。