香港当局、民主派メディアの幹部2人に有罪判決 「扇動的言論」で

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扇動的な出版物発行を共謀した容疑をめぐる審理を終え、裁判所を後にする立場新聞の鍾沛権・元編集長と林紹桐・元編集長代行=2023年6月27日、香港/Tyrone Siu/Reuters

扇動的な出版物発行を共謀した容疑をめぐる審理を終え、裁判所を後にする立場新聞の鍾沛権・元編集長と林紹桐・元編集長代行=2023年6月27日、香港/Tyrone Siu/Reuters

香港(CNN) 香港の区域法院(地裁)は29日、運営停止に追い込まれた民主派寄りのネットメディア「立場新聞(スタンド・ニュース)」の元幹部2人に有罪判決を下した。

立場新聞の鍾沛権・元編集長と林紹桐・元編集長代行は、2019年の反政府デモを機に翌年導入された香港国家安全維持法(国安法)に基づき、扇動的な出版物発行を共謀した罪で訴追されていた。ジャーナリストに扇動罪が適用されたのは、1997年に香港が英国から中国に返還されてから初の例だった。

香港警察は21年12月、立場新聞の編集室に数百人の捜査員を送り込んで資料を押収し、スタッフを逮捕。立場新聞は数日後に閉鎖を余儀なくされた。

同じく民主派寄りの日刊紙「リンゴ日報」も廃刊に追い込まれ、一部の外国メディアやNGOが本部を香港の外へ移している。

立場新聞の持ち株会社も29日、扇動罪で有罪判決を受けた。

検察は、立場新聞が20~21年に中国政府や香港当局、国安法を批判する記事17本を掲載したと主張した。国安法違反で指名手配されている羅冠聡(ネイサン・ロー)氏を含む、民主派活動家や元野党議員とのインタビュー記事だった。

これに対して弁護側は、立場新聞が公正なジャーナリズムを掲げ、親中派とのインタビューも伝えていたと反論した。

別の裁判では、民主派への支持と中国批判で知られる香港のメディア王、黎智英氏も国安法に基づき、扇動や外国勢力との結託の罪に問われている。同氏は有罪となった場合、終身刑を言い渡される可能性がある。

香港では今年3月、国安法を補完する国家安全条例が新たに成立し、扇動罪の刑期の上限が2年から10年に引き上げられた。

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