中国で1000日以上拘束のカナダ人、「心理的」拷問を受けた経験語る
香港(CNN) 中国でスパイ容疑をかけられ1000日以上拘束されていたカナダ人2人のうちの一人、マイケル・コブリグ氏が独房で半年間にわたり過酷な尋問を受けた経験を語り、「心理的」拷問だったと振り返った。
コブリグ氏とカナダ人のマイケル・スパバ氏は中国、カナダ両政府の激しい対立の中心にいた人物。これをきっかけに、両国の外交関係は今日に至るまで険悪化している。
コブリグ氏はCBSニュースのインタビューに対し、「心理的には間違いなく、私の人生で最も過酷で苦痛に満ちた経験だった」と振り返った。コブリグ氏が公の場で長時間発言するのは3年前に釈放されてから初めて。
コブリグ氏は18年12月10日、当時妊娠6カ月だったパートナーと北京での夕食から歩いて帰宅していた際、中国当局によって拘束された。
「自宅アパート正面の広場の前にある螺旋(らせん)階段を上っているところだった」とコブリグ氏は振り返る。「カメラを持った黒ずくめの男十数人が我々を取り囲み、中国語で『あいつだ』」と叫んだ」
コブリグ氏は元外交官で、当時シンクタンク「国際危機グループ」の上級顧問を務めていた。北朝鮮で活動していたカナダ人コンサルタント、スパバ氏も同時期にスパイ容疑で身柄を拘束された。
カナダ当局は同じ月、米当局の容疑に基づき華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を逮捕しており、2人はこれを機に始まった3年間の外交対立に巻き込まれた形だ。
コブリグ、スパバ両氏が釈放されたのは2年近く後、米検察が身柄引き渡し要請を取り下げ、孟氏の釈放に同意した後のことだった。
中国政府は孟氏とカナダ人2人の拘束の関連性を一貫して否定しており、健康上の理由から2人を保釈したと説明した。
中国当局は2人に不利な証拠や、非公開で行われた裁判に関する詳しい情報を公表していない。