ヒズボラ指導者暗殺にパキスタンで抗議デモ、警察と衝突
(CNN) レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師が死亡したことを受け、パキスタンの最大都市カラチで29日に追悼デモが行われ、解散させようとする警察との間で衝突が起きた。
デモ隊はナスララ師の死をいたみ、カラチの米領事館に向かってデモ行進。領事館への接近を阻む障壁を突破しようとした。SNSに投稿された映像には、催涙ガスを噴射したり警告射撃を行ったりする警官隊や、投石を行うデモ隊が映っている。
デモを率いるパキスタンのイスラム教シーア派政治団体はCNNの取材に対し、全土の抗議デモは「平和的に」行われたと強調した。
一方、カラチ警察は、デモ隊が指定された会場から移動して、投石や暴動を行ったと発表した。
これとは別に、首都イスラマバードでも約4000人が集まって、イスラエルのナスララ師暗殺に抗議した。
パキスタン外務省は29日に発表した声明で、ナスララ師暗殺を「無謀な行為」と位置付け、ただでさえ不安定な同地の情勢を大幅にエスカレートさせたとして非難した。
ナスララ師は40年前に結成されたヒズボラの創設者の1人で、宗教・政治指導者として信者たちの尊敬を集めていた。
一方、米国など西側諸国はヒズボラをテロ組織に指定して、過去40年の攻撃をめぐりナスララ師とヒズボラを非難していた。