トランプ氏復活に備える中国、経済で混乱も政治的にはチャンスか

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米海軍提供の写真。台湾海峡を通過するアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ハルゼー=5月8日/Mass Communication Specialist 3rd class Ismael Martinez/U.S. Navy/AP

米海軍提供の写真。台湾海峡を通過するアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ハルゼー=5月8日/Mass Communication Specialist 3rd class Ismael Martinez/U.S. Navy/AP

台湾並びにロシアとの関係

中国政府は商取引を重視するトランプ氏の傾向を台湾問題にも利用しようとするかもしれない。

選挙期間中、トランプ氏は半導体産業を米国から「盗んだ」として台湾を非難。また台湾は領土の防衛に当たっている米国に対価を支払うべきだとも主張した。

業界の専門家によれば、台湾は自前の半導体事業を自力で成長させてきた。またこの数十年間は米国の兵器メーカーから大量の兵器を購入してもいる。

カーネギー国際平和基金のチャオ氏は、「トランプ氏は台湾防衛にそこまで強い関心を寄せていないことから、中国政府は台湾問題に関して米政府から一段の譲歩を引き出そうとする可能性がある。米国が好む条件を提示する場合もあれば、強引に圧力をかける場合もあるだろう。両方の手段を駆使して米国に対し、台湾への軍事的、政治的支援の縮小を迫るだろう」と分析した。

ロシアのプーチン大統領との良好な関係を誇示するトランプ氏は、かねて米国がウクライナに圧力をかけることで、ロシアとの停戦を実現できるとの考えを示唆してきた。

ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアと中国の関係は緊密化しているが、ウクライナでの戦争終結はそうした状況を複雑にしかねないと、香港城市大学の劉冬舒助教は指摘する。

「米国とロシアの関係が和らげば、ロシアと中国の隙間は広がり、事実上両国間に楔(くさび)を打ち込むことになる可能性がある」「本人のあらゆる発言から、トランプ氏は明らかにロシアではなく中国を主要な敵と認識している」(劉氏)

プーチン氏は7日、大統領選で勝利したトランプ氏に祝意を表し、米国と連携する用意があると明らかにした。

さらにトランプ氏が選挙期間中、ウクライナ戦争終結と対ロ関係の再構築についてコメントしたことに触れ、「少なくとも注目に値する」との見解を示した。

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