イスラエルに武器供与継続の米政権、ガザの現実とかけ離れた判断
80代の両親と一緒に何キロも歩いているというアブ・アハメド・スバイさんは、「食べ物が何もない」と嘆く。
ガリアさんという83歳の女性は「もう野菜も肉も果物も知らない。以前は缶詰で生きていたけれど、今は缶詰もなくなった」と訴えた。
世界保健機関(WHO)は8日、「ガザ地区北部は飢餓の瀬戸際にある可能性が極めて大きい」と警告した。
支援団体から食料物資を受け取るのを待つパレスチナの人々=10日、パレスチナ自治区ガザ中部デイルアルバラ /Ashraf Amra/Anadolu/Getty Images
ガザ北部にあるカマルアドワン病院長のハッサム・アブ・サフィヤ医師は13日、栄養失調の子どもや大人数十人を受け入れたと語った。
ガザの人道状況は2023年10月に戦争が始まって以来、最悪の状態に陥ったと支援団体は指摘する。
イスラエルの軍事作戦が続く中、数十万人が避難命令の対象となり、法も秩序も崩れて支援物資が略奪され、トラック運転手は不足し、支援物資の搬入はイスラエル当局によって頻繁に阻止される。
バイデン米政権は先月、イスラエルに対して30日以内にガザの人道上区改善に向けた措置を講じるよう求め、期限を迎えた12日、米国務省は「イスラエルが米国の法律に違反したとは判断しない」と発表した。
これに対して人道支援団体8団体は連名で、イスラエル政府は米国の基準を満たしていないどころか、ガザの状況を劇的に悪化させる行動を取っていると訴えた。