首相側近の機密情報漏洩、世論に影響与えるのが目的 イスラエル裁判所
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相の側近が機密情報を外国メディアに漏洩(ろうえい)したとされる事件で、裁判所は17日、情報漏洩の目的について、人質解放交渉に対する世論に影響を与えようとしたとの見方を示した。
法廷文書によれば、ネタニヤフ氏の側近エリエゼル・フェルドシュタイン氏は今月に入り、機密情報を漏洩したとして逮捕された。今回の裁判所の発表によって、情報漏洩をめぐる状況がより詳しく明らかになった。
裁判所によれば、今回の情報漏洩は、イスラエル軍予備役の下士官が軍から機密文書を持ち出したことで始まった。
今年4月、この下士官が文書のコピーをフェルドシュタイン氏に送り、フェルドシュタイン氏が9月にイスラエルメディアに文書を送った。裁判所によれば、人質をめぐる進行中の交渉に関して世論に影響を与えるのが目的だった。
情報漏洩の直前の9月1日には、イスラエル軍が、パレスチナ自治区ガザ地区で人質6人が死亡したと発表していた。死亡した人質のうち4人は人質解放交渉の第1弾で解放されることになっていた。
裁判所によれば、イスラエルの報道機関は当局の検閲によって漏洩した機密文書の公開が妨げられた。このため、フェルドシュタイン氏は検閲を回避して外国メディアで文書を公開すること決断したという。
9月に英国の「ジューイッシュ・クロニクル」とドイツの「ビルト」に記事が掲載され、この中に漏洩した情報が含まれていた。いずれの記事もイスラエルの情報機関を引用し、当時のネタニヤフ氏の言説を支持する内容だった。