インドネシアで服役の豪州人5人、20年ぶり帰国 麻薬犯罪の「バリ・ナイン」
(CNN) インドネシアからオーストラリアにヘロインを密輸しようとしたとしてバリ島で逮捕され、終身刑を言い渡されて服役していたオーストラリア人男性5人が、両国の合意に基づき約20年ぶりに帰国した。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は15日、5人が同日午後に帰国したことをX(旧ツイッター)への投稿で確認した。
帰国したのは犯罪集団「バリ・ナイン」と呼ばれたオーストラリア人9人のうちの5人。ヘロイン8キロあまりをオーストラリアに密輸しようとしたとして、2005年にバリ島の国際空港などで逮捕された。
この事件をめぐり、9人の帰国を求めるオーストラリアとインドネシアの間で関係が悪化していた。
インドネシアは2015年、9人のうち首謀者とされるオーストラリア人2人の死刑を執行。唯一の女性は禁錮20年を言い渡されて13年間服役した後、2018年に釈放された。もう1人は2018年に腎臓がんのため死亡した。
ロイター通信によると、アルバニージー首相は先月ペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で、インドネシアのプラボウォ・スビアント新大統領とこの問題を協議。インドネシア法相は、残る5人を帰国させることで合意したことを確認した。
ナイン・ニュースによると、帰国した5人は釈放される見通し。
バリ・ナイン事件はインドネシアの麻薬取締法の厳格さを見せつけた。インドネシアには今も同様の罪に問われて服役中の外国人が複数存在する。