ガザの水不足はイスラエルによる「ジェノサイド」 人権団体が報告書

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水を入れる容器を運ぶ少女=12月4日、ガザ地区南部ハンユニス/Abed Rahim Khatib/Anadolu/Getty Images

水を入れる容器を運ぶ少女=12月4日、ガザ地区南部ハンユニス/Abed Rahim Khatib/Anadolu/Getty Images

(CNN) 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)は19日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区を水不足に陥らせた行為はジェノサイド(集団殺害)にあたるとの報告書を発表した。

報告書は、イスラエル当局が昨年10月から今年9月にかけて、パレスチナ住民に世界保健機関(WHO)の基準を満たす水を供給せず、これが数千人の死亡や病気まん延の原因になったと指摘した。

WHOの基準によると、人が生きていくために最低限必要な水は1日に50~100リットル。長期的な緊急事態下では、飲用水と洗浄用水合わせて最低15~20リットルが必要とされる。

だがHRWによると、ガザ地区の住民200万人にはその量さえ供給されていない。住民が入手できる水のほとんど、またはすべてが飲み水には適さない水質だという。

HRWは、イスラエルの行為が国際条約に基づくジェノサイドに相当すると主張。ガザでは水を奪われたために、住民がじわじわと死んでいくと訴えた。ガザで生まれた新生児は、母親が栄養失調や脱水症状で授乳できなかったり、汚水が混入したミルクを与えられたりして亡くなっているという。

HRWはまた、イスラエルがガザへの浄水関連物資の搬入を阻止し、水道管を通した給水を制限し、空爆で水道施設に大きな被害を与えるなど、故意に水を止めているとの認識を示した。

一方で、ガザ地区では医療体制が崩壊しているため、水不足による被害の全容を把握することは不可能かもしれないと指摘した。

イスラエルはこれまでもジェノサイドの疑いをかけられてきたが、同国政府は「事実無根」と主張し、「飢餓を戦争の武器にしている」との批判もはねつけている。

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