独クリスマス市襲撃、容疑者がSNSで反イスラム的な発言繰り返す
(CNN) ドイツ・マクデブルクのクリスマスマーケットに車が突っ込み、5人が死亡し、200人あまりが負傷した事件で、容疑者の男は反イスラム的な発言を繰り返した過去があり、この数カ月間でますますドイツに対する脅迫的な投稿が増えていたことがわかった。
ターレブ・アブドゥルモーセン容疑者(50)は20日に事件現場で拘束された。当局は、今回の事件について、同容疑者による単独犯とみている。
アブドゥルモーセン容疑者はサウジアラビア出身で、2006年にドイツに入国した。同容疑者はドイツに定住すると、サウジや他の湾岸諸国の抑圧的な政権から逃れる方法について、インターネット上で情報共有を行うようになり、プラットフォームも立ち上げた。
アブドゥルモーセン容疑者は当初、ドイツに感謝していたものの、近年はドイツの移民政策に対して不満を募らせているようだった。
ドイツは15年に中東からの難民を100万人以上受け入れたが、その後は国境管理の強化に軸足を移している。
ドイツ当局は21日、ドイツの難民への対応に関するアブドゥルモーセン容疑者の「不満」について捜査を行っているとしたが、動機の解明にはさらに時間が必要となるとの見通しを示した。
アブドゥルモーセン容疑者はSNSへの投稿で、イスラム教に対する信仰を捨てることを明らかにしているほか、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への共感を示し、ドイツが国のイスラム化を推進していると非難している。
アブドゥルモーセン容疑者は今年、ドイツやドイツの人々を脅迫するような投稿をしており、同局も警戒していたとみられる。同容疑者は5月、SNSへの投稿で、「ドイツのテロリズムは裁かれるだろう。私は正義をもたらすために今年、死ぬ可能性が高い」と述べていた。8月にも同様の投稿を行っていた。
アブドゥルモーセン容疑者は自身の活動を広める取り組みの一環として、CNNを含む多くの報道機関と接触していた。同容疑者は報道機関に対し、弱い立場にある女性と定期的に接触し、サウジ国外の唯一の連絡先となることが多いと語っていた。ビザのない国への渡航計画を支援し、そうした女性とメディアとの橋渡し役も担ったことも何度かあったという。