1人死亡、数千人が避難 オーストラリア北東部で大規模な洪水
(CNN) オーストラリア北東部のクイーンズランド州で大規模な洪水が発生し、これまでに1人が死亡、数千人に避難命令が出されている。豪雨による急激な増水で住宅や事業所は水に浸かった。
クイーンズランド州北部は1月31日以来、広い範囲が洪水に見舞われ、沿岸部に近いインガムやタウンズビルで特に大きな被害が出ている。当局は沿岸部の低い土地に住む住民に対し、直ちに避難するよう呼びかけている。
クイーンズランド州のクリサフリ州首相は、インガムの洪水で2日に1人が死亡したことを確認した。
CNN提携局のナインニュースなどによると、死亡した女性は乗っていた救助艇が木に衝突して転覆した。一緒に乗っていたほかの5人は救助された。
タウンズビル郊外では2日に緊急警報が出され、急激な増水で「命の危険にさらされる可能性がある」として災害対策当局が住民に避難を呼びかけた。
氾濫(はんらん)した河川にはワニが潜む可能性もあるとして、州も警戒を促している。
タウンズビル(人口約20万人)では2019年にも、当時「100年に一度」と言われた大規模な洪水が発生していた。
クリサフリ州首相は2日、今回の大雨はそうした状況に匹敵し得るとの認識を示し、最悪の事態に備える必要があると強調した。
オーストラリア気象局によると、現地では数日間にわたって豪雨と強風が続き、複数の地域で24時間の総雨量が最大600ミリに到達。6時間で250ミリを観測した地点もある。
数日間にわたり豪雨と強風が続き、複数の地域で24時間の総雨量が最大600ミリに到達した/Queensland Ambulance Service
豪雨と強風に伴う急激な増水や氾濫は3日まで続くと予想している。
インガムでは河川が急激に増水しており、過去60年で最悪の洪水になる恐れもある。