イスラエル軍、ヨルダン川西岸に戦車を配備 23年ぶり
ヨルダン川西岸地区に展開するイスラエル軍戦車
(CNN) イスラエル軍は23日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に戦車を配備した。イスラエル軍がヨルダン川西岸に戦車を展開したのは、2002年に起きたパレスチナ人によるインティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)以降で初めて。イスラエル軍は「避難」した住民に対して帰還を認めておらず、こうした動きは、パレスチナ自治政府から侵攻の激化だと非難の声が出ている。
イスラエル軍は、パレスチナ自治区ガザ地区での停戦が発効したわずか2日後からヨルダン川西岸の北部に焦点を当てた軍事作戦を実施している。
イスラエル軍は23日、ヨルダン川西岸のジェニンに戦車部隊を展開した。イスラエルのカッツ国防相はイスラエル軍に対し、ヨルダン川西岸の難民キャンプでの「今後1年間」の長期的な駐留に備えて、住民の帰還とテロの復活を防ぐよう指示したと明らかにした。
カッツ氏は、ジェニンなど3カ所の難民キャンプは現在人がおらず、約4万人の住民が「避難」したと述べた。ジェニンの難民キャンプから避難した複数の住民は先に、CNNの取材に対し、イスラエル軍から避難指示が出され、いつ戻れるかわからないと明らかにしていた。
パレスチナ保健省によれば、今年に入ってから、ジェニンでの攻撃により少なくとも27人が死亡した。ヨルダン川西岸全体での死者は70人に上る。
パレスチナの当局者によれば、イスラエル軍は先週、ヨルダン川西岸の難民キャンプで住宅10棟あまりを破壊した。