カナダ州首相、米国向け電力の「完全遮断」示唆 貿易戦争激化なら

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カナダ州首相、米国の関税措置に対抗

(CNN) カナダ・オンタリオ州のフォード州首相は記者会見で、米国の3州に輸出する電力に対し25%の割増料金を適用する措置を10日から実施すると発表した。また米国がカナダからの輸入品に対して追加関税を課すなら、米国への電力供給を停止すると警告した。

トランプ米大統領はカナダとメキシコからの大半の輸入品に対して25%の関税をかける措置を延期しているが、カナダ側は米国への厳しい報復措置を止めない構えを示した形だ。

フォード氏は記者団に対し、「米国が状況を激化させるなら、私は迷わず電力を完全に遮断する」「信じてもらいたいが、私としてもこんなことはしたくない。米国の人々に対しては大変心苦しい。なぜならこの貿易戦争を始めたのは米国の人々ではないからだ。責任は一人の人物、つまりトランプ大統領にある」と述べた。

フォード氏によれば10日、米ニューヨーク州、ミネソタ州、ミシガン州の家庭と企業に供給される電力には25%の割増料金が適用される。月間で約100ドル(約1万4700円)が電気料金に上乗せされる計算だという。

しかしこれは同時にカナダのエネルギー業界にとってもリスクとなる。カナダが米国の輸出品に依存する水準は、米国がカナダからの輸出品に依存する場合よりも格段に大きい。貿易戦争が激化すれば、カナダはリセッション(景気後退)に入ることが見込まれる。俗に言うように、貿易戦争には勝者がいないということだ。

電力の完全遮断という脅しに加え、米国が関税を厳しくするなら割増料金の25%の比率も引き上げる可能性があるとフォード氏は警告した。トランプ氏は7日、カナダ産の乳製品と木材に対し、カナダ側がかけている水準に見合うだけの関税を課す方針を明らかにした。9日には、カナダとメキシコからの輸入品に適用する税率を当初の25%から引き上げる可能性もあると迫った。米国へ流れる違法薬物フェンタニルの量の低減に取り組むとした約束を両国が果たさなければ、税率の引き上げに踏み切ると示唆した。

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