シリア暫定政権、クルド人武装勢力の統合で合意
(CNN) シリア暫定政権のシャラア大統領は10日、クルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」を国家機関に統合することで合意に達したと発表した。
シャラア氏は「すべての国民が宗教や民族にかかわらず、能力に応じて政治参加できる権利の保障」が目的だと述べた。
新たな合意ではさらに、クルド人社会が国の一部として認められた。この中には、アサド前政権下で長年、市民権を与えられなかった数万人のクルド人が含まれている。
SDFのアブディ司令官はX(旧ツイッター)への投稿で、「この合意を新たなシリア建設に向けた真の機会ととらえる」と述べた。
合意は、シャラア氏の率いる旧反体制派が昨年12月にアサド旧政権を倒してから、同国で実現した最大の進展のひとつ。
SDFは現在、国内最大の非政府系部隊で、北東部などを実効支配している。暫定政権との合意により、旧政権残党などの脅威と戦う協力態勢が確立した。SDFの支配地域は国境や空港、石油ガス田を含めて暫定政府の統治下に置かれる。同時に全土で停戦が発効し、避難民は帰還する。
合意を年内に履行するための執行委員会も任命された。
11日未明には北部アレッポで花火が上がるなど、国内各地の主要都市で住民らが合意成立を祝った。