ANALYSIS

ガザ停戦合意の歓喜、今では悲しみと哀悼に

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(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区から流れてくる映像は、恐ろしく見覚えがある。血まみれの民間人と子どもたちが、ガザのイスラム組織ハマスの拠点に対するイスラエルの「大規模攻撃」の代償を払わされている。

停戦が宣言された2カ月前の歓喜は、悲しみと哀悼に取って代わられた。

ハマスとイスラエルが合意した停戦は3段階で構成されていた。1月でさえ、この第2段階に進むことが野心的であることは明らかだった。そして今日、それはほとんど不可能に思える。

イスラエルのネタニヤフ首相は、この合意についてきわめて公然と懸念を示していた。一時的な停戦に同意する一方で、同氏は米国のバイデン政権とトランプ政権のいずれも、交渉が決裂したときには戦闘を再開することを許可したと主張した。

ネタニヤフ氏は、合意で定められた期限を無視し、仲介役のエジプトとカタールではなく、ワシントンのトランプ大統領と直接会うことで前進できると考えていた。

トランプ氏は米国の数十年にわたる政策を覆し、200万人以上のパレスチナ人をガザから移住させ、中東の「リビエラ」を作る計画を発表した。この判断は、ネタニヤフ氏が期待していた以上のものだっただろう。

また、この判断はトランプ氏が自身の功績と主張していた当初の停戦協定の終焉(しゅうえん)を告げる鐘の音にも聞こえた。戦闘を再開することで、ネタニヤフ氏は閣内の極右の支持を取り付けた。極右からの支持は同氏の政治的生き残りを左右する。

極右勢力は戦闘再開とハマスの完全破壊を主張しているが、イスラエル軍当局者ですらそれは不可能との見方を示している。

ネタニヤフ氏はまた、国内治安機関の長官を解任する意向から国民の注目をそらし、一時的ではあるが自身の汚職裁判への出廷を延期した。

しかし、戦闘を再開するという決定は、今日と明日に予定されている抗議活動に参加するイスラエル人を増やす可能性がある。集会はすでに大規模になるとみられている。

野党の政治家ヤイル・ゴラン氏は「前線の兵士やガザの人質は、彼(ネタニヤフ)の生き残りゲームの駒に過ぎない」と語る。

人質家族を代表する支援団体は、最大の恐怖が現実になったと述べ、「イスラエル政府は人質を見捨てることを選んだ」と非難した。

この状況に欠けているのは、実現可能な出口、あるいは、たとえ失敗してもネタニヤフ氏に行動を抑えるよう説得する意志のある米大統領だ。

本稿はCNNのポーラ・ハンコックス記者による分析記事です。 

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