トランプ氏を褒めそやすプーチン氏、ウクライナ戦争ではほとんど譲歩せず

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ロシアのプーチン大統領(左)とトランプ米大統領=2019年6月、大阪/Kevin Lamarque/Reuters/File

ロシアのプーチン大統領(左)とトランプ米大統領=2019年6月、大阪/Kevin Lamarque/Reuters/File

(CNN) クレムリン(ロシア大統領府)は18日に行われた米ロ首脳会談に関する発表の中で、戦争終結をめざすトランプ米大統領の「崇高な目標」に感謝の意を示し、これを称賛した。

ロシアのプーチン大統領や同氏周辺のタフな熟練の交渉人たちは、こうしたお世辞がワシントンで力を発揮することを熟知している。

ただ、トランプ氏の提案の柱である30日間の停戦については依然として合意が得られていない。クレムリンは停戦の検証やウクライナにおける「強制動員」の停止、戦闘休止を利用したウクライナ軍の再武装の防止といった点が依然、ロシア側の課題として残っていることを示唆している。

エネルギーインフラへの攻撃を一時停止するという米国の提案については、クレムリンの同意が得られた。プーチン氏は「直ちにロシア軍に対応する指示を出した」とされる。

ただ、これは自国の電力網がロシア軍の空爆を受けるのを目の当たりにしてきたウクライナ人からは歓迎されるかもしれないが、戦闘地域で続くロシア軍の激しい攻撃を止める効果はほとんどないとみられる。

製油所などロシアのエネルギーインフラを狙った攻撃は、ウクライナにとって最も効果的な戦術の一つだった。これを停止することはクレムリンの利益にかなう。

実のところ、ロシア政府は自らの主要な戦争目標に関し、ほとんど譲歩を示していないようにみえる。長期的な和平への「用意」があると強調する一方で、「危機の根本原因を排除する絶対的な必要性」を説くことも忘れていない。クレムリンはこれまで「危機の根本原因」として、北大西洋条約機構(NATO)の拡大がロシア国境に迫る恐れや、ウクライナが西側寄りの独立国家として台頭したことを挙げてきた。

ロシアの当局者キリル・ドミトリエフ氏は、トランプ氏とプーチン氏の電話会談を「歴史的」「壮大」な出来事と歓迎し、X(旧ツイッター)に「世界ははるかに安全な場所になった」と投稿した。

だが、クレムリンとの交渉が常にそうであるように、悪魔は細部に潜む。交渉による解決をめざす案は大筋で受け入れられたとはいえ、恒久的な和平合意はおろか、停戦に至る前にも詰めるべき細部が山積しているのが実情だ。


本稿はCNNのマシュー・チャンス記者による分析記事です。

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