米当局、787の実験飛行許可
さらに、リチウムイオン電池の使用が認められる根拠となったボーイングの試験にも言及し、この試験の結果、バッテリーの不具合が起きる可能性についてボーイングが大幅に過小評価するに至った可能性があると指摘した。
ボーイングは、バッテリーの発煙が起きる確率は「1000万飛行時間中に1回未満」と推定していたが、実際には10万飛行時間に満たないうちにバッテリーのトラブルが2回発生。このうちボストンのケースでは、機内での発火に至った。
さらに、バッテリーのセルの1つで熱損傷が起きても周辺のセルに損傷は及ばないとしたボーイングの前提には誤りがあったと断定、「バッテリーの認可に使われた前提は再検討しなければならない」(NTSBのハースマン委員長)との見解を示した。
NTSBはまた、FAAの技術認可手順に対しても疑問を突き付けている。
787型機は1月16日から運航が停止されているが、今回の発表で早期再開の見通しはさらに遠のいた形だ。NTSBは30日以内に中間報告を発表する予定。FAAは運航再開の見通しを明らかにしていない。