AIG、サイバー攻撃による物理的被害も補償へ
ニューヨーク(CNNMoney) 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は23日、サイバー保険の補償対象を物理的に受けた被害にも広げると発表した。
サイバー保険はハッカーなどによるサイバー攻撃による被害を補償するのが目的。AIGは声明で、サイバー攻撃によるリスクは個人情報漏えいだけにとどまらず、「資産や人に対する物理的なリスクも現実のものだ」と述べた。
昨年のポネモン研究所のリポートによれば、サイバー保険に加入した、もしくはまもなく加入すると答えた企業は半数を超えている。
これまで企業へのサイバー攻撃の被害は、個人情報漏えいによるクレジットカード情報の悪用などが注目を集めてきた。だが心拍モニターや道路の信号、ホームセキュリティーシステム、スキー場のゴンドラ、自動車などさまざまなものがコンピューターで制御され、ハッカーに侵入される可能性がある。
発電所や浄水場、ダムといった生活には欠かせないインフラもコンピューターで制御されている。過去のサイバー攻撃では、イランの核施設でウラン濃縮用の遠心分離機を制御するコンピューターがサイバー攻撃を受け、使用不能になったことがある。