航空会社がクラウドファンディングで資金調達、その狙いは?
そのために同社は、インターネットなどを通じて不特定多数の人から資金を集めるクラウドファンディングにより約500万ポンド(約8億6000万円)の資金調達を目指しており、現在その一環として英クラウドキューブで100万ポンド(約1億7200万円)の資金を募っている。すでに投資家から、あるいはソーシャルレンディングにより約500万ポンドの資金を調達済みだが、運航を開始するには、主に機関投資家から、総額6000万ポンド(約103億円)以上の資金を集める必要がある。
これまで芸術家や個人起業家、さらに米テレビドラマ「ヴェロニカ・マーズ」の製作者らがクラウドファンディングで資金を獲得したが、航空会社であるオデッセイがクラウドファンディングで資金調達を行う狙いは何か。
オデッセイは、クラウドキューブでの資金調達を通じて、第1便が飛び立つ前に顧客を集め、ブランド・ロイヤルティー(顧客のブランドに対する忠実度)を確立したい考えだ。
スコット氏は「社名を世に出すことにより、会社の認知度を高めるのが狙い」とし、「これは(初期投資家にもなりうる)顧客予備軍と早期から触れ合うための手段だ」と語った。
これまでもEOS、マックスジェット、シルバージェットといった航空会社が全席ビジネスクラスの旅客機を運行していたが、同3社は世界的経済危機が襲った2007年から08年にかけて顧客集めに失敗し、経営に行き詰まった。しかし、シルバージェットの一部幹部が「再挑戦」のためにオデッセイに入社している。