ロシア、中国にガス供給で合意 2018年から30年間
ロンドン(CNNMoney) ロシアの国営ガス会社ガスプロムは21日、中国石油天然気集団(CNPC)向けに天然ガスを輸出する契約を結んだ。CNPCとロシアのエネルギー省が明らかにした。
ガスプロムは年間380億立方メートルのガスを2018年から30年間、中国に供給する。供給量は年600億立方メートルまで増える可能性があるという。これはガスプロムの年間出荷量4770億立方メートルの1割前後に相当する。
ロシアのエネルギー省は販売価格を明らかにしていない。ロシアは当初、30年間で総額4560億ドル(約46兆円)という額を主張していたが、中国側と折り合いがつかず、交渉は10年以上に及んでいた。
調査会社IHSエナジーは「最終的な合意価格は中国が当初予定していた金額よりロシアの希望額の方に近いとみられる」と分析。「高い金額でまとまったということは、クリーンな燃料を求める中国側の意欲を示している」という。
中国は火力発電の燃料として石炭への依存度が高く、大気汚染対策でより環境負荷の低いエネルギーへの転換を余儀なくされている。
ロシアの国営メディアによれば、天然ガスはロシア東部からパイプラインで供給する。
欧州は現在、天然ガスの3割をガスプロムに依存している。ただし、今回の供給契約によって欧州向けのガスを中国に回すわけではないようだ。IHSエナジーの専門家は「中国へのガス供給はシベリア東部で開発される新しいガス田からのものになるだろう」と述べた。