従業員はロボットに置き換え? 飲食店で進む自動化
実際、IBMの「ワトソン」のような人工知能は、高度な思考や優れた言語理解力を持つまでに進歩してきた。こうした現状をみれば、将来、店頭の情報端末よりも接客に優れたロボットが開発されるであろうことは想像に難くない。
配達の場面では、今後10年から20年のうちに、配送者の運転手が自動運転車に取って代わられるだろう。無人機による配達もありえる。
調理においても、ロボットのバーテンダーやグルメハンバーガー調理師を提供する新事業が出てきている。オックスフォード大学の報告書では、レタスの選別にロボットを使用している食品加工企業の例が紹介されていた。
ただ、ロボット化への変化の速度は緩やかなものになるとの見方もある。米市場調査会社テクノミック所属で外食産業に詳しいダレン・トリスターノ氏は、消費者が外食という体験に何を期待しているかを考慮すれば、今後数十年の従業員減少は最大でも5~10%にとどまるのではないかと指摘。
トリスターノ氏は「消費者は長年にわたり、アルコールや料理を人間の手から受けとってきた。その歴史をみれば、あまり急激な変化が起こるとは想像しがたい」と述べる。