世界最大の航空機、飛行実験へ 英
エアランダー10の名称は10トンの積載量に由来する。船体は炭素繊維とケブラー繊維、マイラー樹脂を使った特注素材製で、ヘリウムガスで膨らませて形状を保つ。離着陸時はディーゼル燃料を使ってプロペラを回転させる。広い操縦室は操縦士1人を含む2人が入れる仕様になっているが、仕様を変更することも可能だという。
消費燃料はこれまでの航空機の20%で済み、太陽光発電パネルを取り付けることも可能。静音のV8エンジンを使って、積み荷を最大限に積んだ状態で5日間の継続飛行ができる。悪天候でも運航でき、セ氏54度~零下56度の気温に耐えられる。
用途は6割が民間利用、4割は軍用を見込んでおり、英国内外から相当の引き合いがあるという。
米沿岸警備隊は海岸線監視機としての利用に関心を示しているほか、スウェーデンのオーシャンスカイ社は政府と組んで、風力タービンの空輸にエアランダーを利用したい考え。「現時点で唯一の輸送手段は森林を突き抜ける幅50メートルの道路しかない。だが生態学的環境を破壊したくはない」(ダニエルズ氏)