犯罪都市から南米のシリコンバレーへ 急成長のコロンビア
ブラジルやアルゼンチンといった他の南米諸国の経済が失速する中でも、コロンビアの勢いは衰えない。こうした成長の理由として頻繁に指摘されるのが、経済の多角化と外国投資への開放的な姿勢だ。
米国の対コロンビア輸出は2003年から400%増加した。米国やカナダ、欧州諸国といった国々と通商協定を結んだのをはじめ、アジアともつながりを強化している。また、多角化という面では、石油、コーヒー、砂糖などへの輸出依存度が依然として高いものの、ITやサービスといった多様な産業を育成してきた。
残る懸念は、反体制派左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」との和平交渉の行方だ。長年にわたる内戦の後、政府とFARCはキューバで和平交渉を進めている。最近の交渉では、FARCがジャングル内の地雷を撤去することで合意したほか、マヌエル・サントス大統領がFARC支配地域への爆撃を停止することを発表するなど、和平は進展の兆しを見せている。
この点も、コロンビアが暗い過去の記憶を払拭(ふっしょく)し、新たな歴史のページを開きつつあることの証しといえそうだ。