記念コイン巡り対立、ベルギーがフランスを出し抜く
ロンドン(CNNMoney) 1815年にナポレオン率いるフランス軍が大敗を喫したワーテルローの戦いから今年で200年になるのを記念して、ベルギー政府が記念硬貨を発行した。ワーテルローは首都ブリュッセル郊外の小さな町だ。
面白くないのはもちろん、フランス政府だ。ベルギーが今年2月にワーテルローの戦いを記念した2ユーロ硬貨を発行すると発表した際には、ユーロ圏の結束が必要な時期に「フランス国内で反発を招く」可能性があると異議を唱えた。
欧州各国が新規にユーロ硬貨を発行する際には、他のユーロ圏諸国の同意が必要となる。そのため、ベルギーはすでに鋳造していた18万枚の2ユーロ硬貨を処分した。
そこでベルギーは「通常使われていない額面の記念硬貨であれば同意は必要ない」という法律の条項を持ち出した。その結果生まれたのが、今回の「2.5ユーロ記念硬貨」だ。
ベルギー財務省は声明で、「フランスの抗議を受けて、ユーロ圏では一般的でない(2.5ユーロという)額面を選ぶことになった。こうした額面の硬貨の発行はベルギーでは初めてだ」と述べた。
ワーテルローの戦いは、23年間にわたるフランスと欧州諸国との戦争の最後の戦いだった。この戦いで、フランスによるベルギー併合が覆され、最終的には1830年のオランダからの独立につながった。
記念硬貨はベルギー国内でしか通用しないが、この一連の騒ぎについて、フランスのメディアからは「新たなワーテルロー(の敗北)」との評も出ている。
記念硬貨には、ワーテルローの戦いの各軍の布陣が刻まれており、インターネットで1枚6ユーロで販売されている。大型の10ユーロ銀貨も42ユーロで販売中だ。