米9月雇用統計、予想下回る 利上げ遠のくか
懸念すべき兆候は他にもある。9月の統計で雇用が伸びなかった理由の一つは、労働市場を離れる人が増加したことだ。就職中または職探しをしている人の割合を示す労働参加率は、前月の62.6%から62.4%に下落した。
労働省はまた、7月の雇用増を2万2000人、8月の雇用増を3万7000人それぞれ下方修正。8月の雇用増はわずか13万6000人だった計算になる。
賃金の伸びも鈍く、9月の平均時給の伸びは2.2%にとどまった。米連邦準備理事会(FRB)は3.5%の賃金増が望ましいとしている。
今回の統計は、利上げ準備を整えているFRBにも大きな意味合いを持つ。FRBは経済の力強さを確認してから利上げに踏み切りたい考えだが、今回の統計は10月下旬の利上げに向けて良い数字とは言い難いと専門家は指摘する。