印で23%の「賃上げ」、公務員や年金受給者1千万人が対象
ニューデリー(CNNMoney) インド政府は3日までに、公務員や年金受給者約1000万人の月給や年金額を23%増額することを決めた。
政府委員会の勧告を受け、モディ首相が決断した。昇給などは1回限りの措置で、公務員の推定約470万人と年金受給者約530万人が対象。これに伴い政府は現会計年度で推定150億米ドル(約1兆5450億円)の追加支出を迫られる。
国家財政を逼迫(ひっぱく)させかねない措置だが、消費者の購買意欲を刺激する効果も見込める。同国のインフレ率は現在5%以下だが、消費者支出の拡大は物価上昇率をさらに加速させる可能性もある。
昇給などは今年1月1日までさかのぼって適用される。これにより、公務員の最低の月給額は従来の7000ルピー(約1万682円)から1万8000ルピーに増額される。閣僚や幹部級の公務員の月給は22万5000ルピーとなる。
インドの下級公務員の報酬額は民間企業と比べ既にかなりの高水準にあるとの指摘もある。一方で政府は比較的低水準の月給しか支払えない幹部職員の確保に苦労しているとの現状もある。
公務員は多数のインド人にとって依然人気のある職種となっている。充実した手当制度が整備されている他、厳格な労働法の保障で終身雇用も望める。